ビル設備管理(ビルメンテナンス)と言えば、楽な仕事としてインターネット上でも有名です。中途入社も盛んな業界ですので目指す人も多いと思います。
しかし、どちらかと言うと裏方の仕事なので、仕事内容について分かりにくい部分もあると思います。
本記事では、ビル管理の仕事内容について出来るだけ分かりやすく、画像付きで解説していきたいと思います。
こんな人にオススメの記事です
- ビル設備管理(ビルメンテナンス)の仕事について一から知りたい
- 異業種からの転職を考えている
- どんなことをしているのかイメージが沸かない
では、早速ビル管理の仕事について早速見ていきましょう。
ビル管理(ビルメンテナンス)とは
仕事内容を解説する前に、軽くビル管理(ビルメンテナンス)について解説していこうと思います。
ビル管理とはその名前の通りで、建物を管理する仕事です。ビルメンテナンスとも言われたりします。もしかしたら、ビルメンテナンスの方が馴染みがあるかもしれませんね。
呼び方に関しては色々あり、インターネットやSNSでは【ビルメン】と略して呼ばれることが多いです。
関連記事:ビルメンって正しい言葉?呼び方の違いを解説【意外と困る】
さらに、ビル管理の仕事は大きく3つの領域に別けることができます。
- 清掃
- 警備
- 設備管理
3つ全てが建物を利用する人が安全に快適に過ごすために必要な仕事です。
清掃や警備の仕事は皆さんもイメージしやすいと思います。しかし、設備管理の仕事って中々イメージしにくいですよね?
この設備管理の仕事こそインターネット上で楽な仕事として有名なビル管理なんです。
そんなビル管理の仕事は、建物内の設備の点検や保守を担当します。
ボイラー、冷凍機、空調機、スプリンクラーなど建物には様々な設備があり、法令やオーナーとの契約で点検内容や回数が事細かに決められています。それに合わせてスケジュールを組み点検、保守をするのが仕事です。
では具体的に仕事内容を見ていきましょう。
ビル設備管理(ビルメンテナンス)の仕事内容
配属される現場によって多少の違いはありますが、ビル管理の仕事内容は大きく5つに別けることができます。
- 日常巡回
- 点検
- 立会い
- 監視盤(CRT)
- 修繕対応(クレーム対応)
一つ一つ掘り下げて見ていきます。
日常巡回
日常巡回とは毎日おこなう巡回の事です。建物内を点検票を持ちながら巡回していきます。
最初は建物内を覚えるという意味でも、初心者の方はこの日常巡回を主に担当することになると思います。
- 水道メーターや電流値の検針
- 冷凍機、ボイラーなど運転している機器の記録
- 配管等から漏れていないか
- 空調機から異音はしていないか
- 残留塩素測定
建物を巡回しながら上記のような項目を点検、記録していきます。


基本的に日常巡回は誰にでもできる仕事です。点検表で決められたメーターや圧力等のデータを記録していきます。
何か異常等があれば原因を探ります。最初の内は何かあっても先輩を呼べばOKです!
それ以外に日常巡回で必ずおこなうのが残留塩素の測定です。ビル管法及び県や都の条例で水質の検査をしないといけないからです。
上記の画像のような残留塩素の測定キットがあるので水を入れて測定していきます。色の変化で残留塩素を測定することができます。
残留塩素の測定も初心者の方が最初に覚える仕事の一つです。
点検
設備によって月1回点検しなければならないものもあれば、半年に1回だけ点検すればOKなものまで様々です。
それらを月間のカレンダーに落とし込み計画を立てて点検していきます。
建物には幅広い設備があるのでビルメンの点検は多岐に及びます。
- 電気:非常用発電機の試運転など
- 空調:ファンコイルユニット、給排気機器など
- 熱源:ボイラー、冷凍機、冷却塔など
- 消防:消火器やスプリンクラーなど
- 給排水:受水槽や汚水槽など
- 建築:エレベーターやエスカレーターなど
こんな感じで意外と点検する設備って多いんですよね。広く浅くがビル管理なので幅広く関わります。
実際にマンホールの中に入ったり、空調機の中に入ってファンの確認したりと様々な点検をおこないます。
初心者がいきなり一人で点検をやることはまずありません。基本的に点検はチームを組んで数名で実施することが多いです。
【注意】現場によってはビル管理って全然 楽じゃないですよ←こちらの記事でも解説していますが、ビル管理は建物の種類によって設備も変わってきます。
例えば、オフィスビルとホテルとでは設備の種類や多さも違います。
ビル管理の点検についてさらに詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
立会い
自らも点検を行いますが、専門メーカーや業者も保守点検で来館します。その際は、立会いや鍵開けをおこないます。
立会い中に専門業者から色々聞けるので結構勉強になりますよ。
ビル管理は広く浅くが基本なのでどうしても専門的な知識が不足してしまいます。業者の立会いの際は、専門的な話を聞きながら勉強させてもらうのがポイントです。
監視盤(CRT)
監視盤(CRT)とはモニターで建物内を監視する業務です。大きい現場だと何台もモニターがあったりします。
監視盤は建物内の温度や湿度などの情報を見ながら温度調節をしたり、機器の発停等もおこないます。
設備に異常があった場合も監視盤に警報があがるので原因等を究明します。
また、テナントからの補修依頼等の電話対応も監視盤の人がおこなうのが基本的なスタイルです。
現場の司令塔のような役割があるので比較的熟練者が担当するポジションです。
修繕対応(クレーム対応)
設備の点検や保守の他に修繕対応と呼ばれる仕事があります。現場や会社によってクレーム対応、補修対応と呼び方が違ったりします。
テナントやお客さんから様々な依頼が来るので、都度対応していきます。若干、雑用のような仕事も多いです。
- 蛍光灯が切れたから交換して
- 電気のスイッチが割れちゃいました
- 机の引き出しの調子が悪いから見に来て
- エアコンの風が当たって寒いからなんとかして
- トイレが詰まってますよー
- 水道の配管から水が漏れてくる
こんな感じ様々な依頼が来るので、その都度対応します。


ビル管理業界で修繕対応をおこなっていると、家でも使えるようになるので結構便利です。
修繕対応も現場によって内容や量が異なります。特に客室の修繕があるホテルは修繕対応がかなりきつい現場です。
ビル管理の修繕対応について詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ
ビル管理の仕事内容のまとめ
- 日常巡回
- 点検
- 立会い
- 監視盤(CRT)
- 修繕対応(クレーム対応)
この5つがビル管理の主な仕事です。
初心者の方は日常巡回をしながら建物について覚えていき、慣れてくると先輩の点検に同行して徐々に仕事を覚えていく流れが一般的です。
この他にも全館停電しての電気精密点検や消防訓練なんかもおこないます。
インターネット上ではビル管理の仕事は待機しているだけで何もすることがないと言われることもありますが、意外とやること多いんですよね。
暇な現場はたしかにありますが、過度に楽だと期待して転職すると痛い目を見ることになります。
その辺はこちらの記事で詳しく書いています→ごめんなさい!ビル管理が楽って嘘でした【実体験】
宿直(24時間勤務)がある
ビル設備管理(ビルメンテナンス)の仕事は、建物を24時間管理するので宿直と呼ばれる24時間勤務があります。
建物内に一泊するイメージですね。
宿直勤務については、下記記事でスケジュール形式で詳しく解説していますので、興味がある方は是非ご覧くださいませ。
ビル設備管理(ビルメンテナンス)の仕事は誰でもできるか?
ビル管理の仕事は、広く浅くなので基本的には誰でもできる仕事です。
機械や電気に関わるので理系の仕事のイメージがありますが、実際には文系の人もたくさんいます。(僕もバリバリの文系です)
しかし、誰でもできる仕事ですが向き不向きはあります。
こちらのビル管理業に向いているか職業診断します【こんな人にオススメ】の記事で詳しく解説していますが、
- 汚れ作業に抵抗がない
- 資格の勉強ができる
この辺りの適性は最低限ないとビル管理の仕事は向いていない可能性が高いです。
マンホールの中に入ったり、天井裏に上ったりするので汚れ作業はありますし、業務に必要な資格は取らないといけません。
資格がとにかく大切です
上記でも少し触れましたが、ビル管理の世界は資格が重要視されます。
資格で飯を食っていると言っても過言ではないくらい資格はビル管理にとって大切です。
こちらの【独特】ビル管理(設備管理)の世界では資格が重要視される3つの理由の記事でも、ビル設備管理(ビルメンテナンス)における資格の重要性はしっかりと解説しています。ビル管理の仕事に就く人にとって資格取得は仕事の内です。
上記はビル管理の基礎的資格であるビルメン4点セットです。可能ならば、なるべく早く取得するのがオススメです!
資格が重要視されるということは、資格をしっかりと取得していけば会社からの評価も上がり、昇給や昇格のチャンスが高まります。ビル管理会社の多くは資格手当もあるので目に見えて給料に反映もされます。また、キャリアアップの転職にも資格は役に立ちます。
ビル設備管理(ビルメンテナンス)の資格について知りたい人向けリンク
最後に
本記事では、ビル設備管理(ビルメンテナンス)の仕事内容について解説してきました。
いかがだったでしょうか?
ビル管理の仕事はどちらというと裏方の仕事で、イメージがしにくいので画像を多めに使ってまとめました。
会社や現場によっても仕事内容は変わってきますが、少しでも未経験の方にビル管理の仕事について知っていただけたら嬉しいです。
他の職業と比べたら楽なことも多いのですよ!
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