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第3種冷凍機械責任者とはどんな資格?独学での勉強方法と時間を解説

第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)は、その名の通りで冷凍設備に関する資格です。

ビル管理会社や倉庫などの冷凍設備に関わる仕事には必須な資格なので、意外と人気の資格です。

本記事では、そんな第3種冷凍機械責任者について、独学で合格するための勉強方法や勉強時間を中心に解説しています。

こんな方にオススメの記事です。

  • 第3種冷凍機械責任者ってどんな資格なのかまだ分からない
  • 効率的な勉強方法や勉強時間を知りたい
  • できれば冷凍3種に独学で1発合格したい

僕自身、第3種冷凍機械責任者は一発で合格することができたので、体験談も含めて解説できればと思います。では早速見ていきます。

第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)とはどんな資格?

第3種冷凍機械責任者とは、冷凍に関わる高圧ガスを製造する施設(1日の冷凍能力が100t未満)において保安の業務を行うことができる資格です。簡単に言うと、建物内を冷やすための冷凍機を取り扱うことができる資格になります。

長いので冷凍3種と略して呼ばれることが多いですが、正式名称は第3種冷凍機械責任者です。

冷凍能力100t以上になると冷凍2種や冷凍1種の資格が必要になります。

冷凍設備と聞くと世間一般的には馴染みが薄いですが、ビル管理(ビルメンテナンス)業界では定番の資格となっています。

ビル管理の基礎的資格であるビルメン4点セットにも入っている資格です。

近年では、第3種冷凍機械責任者の資格が無くても、取り扱うことのできる冷凍機が増加していることから需要としては下がってきています。しかし、ビル管理業界はとにかく資格重視の世界なのでまだまだ必要な資格です。

第3種冷凍機械責任者の試験概要

受験資格

  • 受験資格:特になし

第3種冷凍機械責任者の試験には、受験資格がないので誰でも受験することが可能です。

試験日程

  • 試験日程:年1回(毎年11月に実施)

試験日は毎年11月と決まっており、年1回しかありません。毎月のように実施されている危険物乙種4類や2級ボイラー技士と違って、年1回しかないので結構プレッシャーがかかります。

受験費用

  • 受験費用:8,400円(電子申請だと7,900円)

試験形式

  • 試験形式:筆記試験(5択のマークシート)

第3種冷凍機械責任者の試験形式はオーソドックスな5択のマークシートです。しかし、冷凍3種の場合は問題の出し方がかなり厄介で、5択なのですが全ての選択肢が分からないと解けない仕様になっているんです。この辺りは勉強方法の部分で掘り下げていきます。

合格率と難易度

第3種冷凍機械責任者の合格率は平均で30%~40%となっています。稀に20%を切ったりする年もあるので難易度は高めの試験です。

ボイラー技士や電気工事士などと比較しても、第3種冷凍機械責任者の難易度は高めになっています。

関連記事:第3種冷凍機械責任者の合格率から難易度を考察してみた【驚愕の事実が・・・】

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勉強方法

第3種冷凍機械責任者の試験は2科目に別れています。

  • 高圧ガス保安法に係る法令:20問
  • 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術:15問

2科目共に60%以上正解すれば合格です。つまり、法令は20問中12問以上、保安管理の技術は15問中9問正解で合格することができます。

過去問メインで勉強しよう

第3種冷凍機械責任者は過去問メインで勉強するのがオススメです。危険物乙種4類や2級ボイラー技士のように過去問と全く同じ問題が出題される割合は少ないですが、過去問題集を中心に勉強するべきです。

理由としてはテキストから入るとほぼ挫折するからです。

上記の画像が一般的な第3種冷凍機械責任者のテキストになります。めちゃくちゃ分厚いですし、文字ばっかりです。こんなテキストから勉強してしまうと絶対に嫌になってしまいます。

試験で100点満点を目指すならこのテキストを全て網羅していくしかありませんが、冷凍3種は60%以上正解できれば良いので、効率を重視して過去問題集から勉強するのがオススメです。

過去問と全く同じ問題は出ませんが、似たような問題は結構出てきます。まずは過去問題集から勉強して数周していきましょう。最初は当然分からないと思うので、過去問をとりあえず暗記するようなイメージで大丈夫です。

過去問題集を5周くらいすれば、ある程度の知識は付いてくると思います。正直この段階で試験に臨んでも合格できる可能性も高いですが、テキストを使って理解を深めると確実です。

テキストを見ながら、過去問に出てきていなかった内容は勉強していきます。過去問で出題されていた内容も再確認することができますね。ここまでやれば第3種冷凍機械責任者の勉強はOKです!

No.1
 過去問題集を解きはじめる
No.2
 
解説を見ながら過去問を暗記するようなイメージで取り組む
No.3
 過去問題集を反復(人によってはここでOK)
No.4
テキストを使って過去問に出てきていない内容を理解する 

No.1~3の過去問題集の反復だけでも第3種冷凍機械責任者の試験は合格できます!(僕がそうだったので)

しかし、第3種冷凍機械責任者の試験は年1回しか受けられません。落ちたら来年までチャンスがないので、テキストを使って過去問に出てきていない内容についても勉強する方が安全です。

計算問題は出題されるの?

第3種冷凍機械責任者の試験に計算問題はまず出題されません。文系の方や計算が苦手な人にはその点は安心の試験です。

その代わりと言ってはなんですが、問題の出し方が嫌らしいんです。

出題形式が嫌らしい冷凍3種

第3種冷凍機械責任者の出題形式は以下の通りです。

次のイ、ロ、ハ、二の記述のうち、正しいものはどれか。

  • イ.1+1=2
  • ロ.1+3=25
  • ハ.2+2=4
  • 二.3+1=24

 

(1)イ、ロ(2)イ、ハ(3)ロ、ハ(4)ハ、二(5)イ、ロ、ハ

こんな感じで嫌らしく出題されます。第3種冷凍機械責任者の試験は全ての選択肢の答えが分かっていないと確実に正解することができません。

例えば、「イ、ロ、二」の選択肢は自信を持って正解が分かっていて「ハ」だけがどうしても分からないとします。そうなると、その問題は運任せで解答することになってしまいます。

普通の資格試験は『正しいものを一つ選べ』や『間違っているものを一つ選べ』ですよね?これだと選択肢のいくつかが分かっていれば消去法で答えを導きだすことも可能です。

しかし、冷凍3種の場合は全ての選択肢の答えが分からないと確実な解答はできないんです。一つでもあやふやな選択肢があると運任せになってしまいます。

この独特な出題形式に慣れる意味でも過去問題集を反復することが大切になってきます。

【第3種冷凍機械責任者】オススメの過去問題集とテキスト

勉強方法の部分で解説してきましたが、第3種冷凍機械責任者の試験対策に必ず必要なのが過去問題集です。過去問に出てきていない内容を詰めるためにテキストがあれば尚良しです。

ではオススメの過去問題集とテキストを見ていきます。

過去問題集

こちらの過去問題集は8年間分収録されているのでボリュームがあってオススメです。8年分も過去問を反復すれば、かなり理解は深まります。

解答の解説が別冊として取り出せるので、分からない問題の解説を見る時にかなり使いやすいです。

過去問題集は一冊あればOKですね。複数買う必要はないです。

テキスト

テキストはこちらの【ゼロからはじめる3種冷凍試験】がオススメです。図やイラストが多いのでイメージしやすい内容となっています。

Kindleにも対応しているので通勤中でも勉強しやすいです。



SIによる初級冷凍受験テキスト

本気で100点を目指したいという方は【SIによる初級冷凍受験テキスト 】がオススメです。日本冷凍空調学会が発売している公認のテキストです。

文字ばっかりですし、イラスト等があまり無いので『とりあえず冷凍3種に合格できれば良いや』という人はいらないです。

第3種冷凍機械責任者のテキストや問題集についてもっと詳しく知りたいは下記記事をご覧ください。

第3種冷凍機械責任者 合格までの勉強時間

第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)は、過去問題集を数周できる勉強時間は最低でも必要になってきます。

過去問を暗記しつつ、嫌らしい冷凍3種独特の出題形式にも慣れないといけないので1ヵ月は勉強期間は欲しいところです。

テキストを使って過去問に出題されていない問題を勉強するとなったら、さらに勉強時間は必要になってきます。

  • 過去問の反復だけで臨む:1ヵ月
  • 確実に合格する為テキストを使う:2ヵ月

第3種冷凍機械責任者の勉強時間としてはこれくらいは最低限必要かと思います。年1回しかない試験ですので時間に余裕がある人はできるだけ早く勉強することをオススメします。

間違っても一夜漬けや3日程度の勉強では受からない試験です。

僕が合格した時の勉強時間

僕が第3種冷凍機械責任者に一発合格できた時の勉強時間は以下の通りです。

  • 勉強期間:1ヵ月半
  • 勉強時間:1日平均1時間程度(試験前日は5時間)

過去問題集をメインにひたすら過去問を解くスタイルで勉強していました。もう過去問丸暗記に近い感じです。テキストは【SIによる初級冷凍受験テキスト】を使っていましたが正直ほとんど見ていません。たまにパラパラ見る程度でした。

結果的には過去問のみの勉強でも合格することができました。合格基準を満たすくらいには過去問の類題が出題されていた印象です。

しかし、過去問のみでは対応できない問題もあったのは事実です。より確実に合格をしたい人は間違いなくテキストも使った方が良いですね。

講習を受けると科目免除できます

第3種冷凍機械責任者には、講習を受けて検定試験に合格すると、科目を免除できる制度があります。

本来の科目

  • 高圧ガス保安法に係る法令:20問
  • 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術:15問

講習を受講して検定に合格すると

  • 高圧ガス保安法に係る法令:20問
  • 冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術:15問 ←科目免除

上記のように講習を受講して検定に合格すると、保安管理の技術が丸々免除されます。法令のみの試験になるので合格率は格段にあがります。

しかし、検定に落ちる人もいるようなのである程度の勉強は必要です。

講習の概要は以下の通りです。

高圧ガス製造保安責任者講習

  • 期間:3日間
  • 日付:毎年6月と2月
  • 場所:各都道府県
  • 料金:16,200円(インターネットで申し込むと 15,700円)
  • 免除になる科目:冷凍のための高圧ガスの製造に必要な初歩的な保安管理の技術

講習の期間は3日間もありますし、料金も結構高いです。

第3種冷凍機械責任者は科目免除を使わなくても合格できる試験なので、無理して講習に行く必要はありません。合格の可能性を可能な限り上げたい人には講習はオススメです。

飛び級で冷凍2種や冷凍1種も受験が可能

冷凍機の資格は冷凍3種を飛ばして、いきなり冷凍2種や冷凍1種を受験することも可能です。

ボイラー技士や電気工事士のように順番に取得していく必要がない為、飛び級で冷凍2種を受験する人もいます。

しかし、科目が増えますし、当然ですが難易度は上がります。

ビル管理会社の資格手当では冷凍3種より冷凍2種の方が高額になる場合が多いので、余裕がある人はいきなり冷凍2種から受験しても良いですね。

最後に

本記事では、第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)の資格について、独学で合格するための勉強方法と時間を中心に解説してきました。

まとめるとこんな感じです。

  • 第3種冷凍機械責任者は年1回しかない試験
  • 過去問を中心に勉強した方が良い
  • 出題形式が嫌らしいので慣れる必要がある
  • 過去問題集だけでも合格可能だが、テキストを使うと尚良し

第3種冷凍機械責任者は、ビルメン4点セットの中でも1番難易度が高く難しい試験です。出題形式も嫌らしく、年1回しか受験できません。

しかし、独学で合格できないほど難しい試験では無いので、そこまで気構えをする必要も無しです。

まずは、テキストや過去問題集を見ることから始めていきましょう!

 

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