ビル管理業界の基本的な資格として【ビルメン4点セット】があります。
しかし、最近ではボイラーや冷凍機の技術的な進化もあり、このビルメン4点セットがいらないんじゃないかと言う声を聞いたりします。
本記事では『もうビルメン4点セットはオワコンなのか』についてまとめています。
僕自身もビルメン4点セットを所有しており、ビル管理業界で転職もしているのでその経験を踏まえてビルメン4点セットについて深堀していこうと思います。
ビルメン4点セットってもうオワコンなの?
まず簡単にビルメン4点セットについて解説していきたいと思います。
ビルメン4点セットとは
この4つの資格が基礎的資格として有名なビルメン4点セットです、
では、ビルメン4点セットはもうオワコンなのでしょうか?
結論から言うとビルメン4点セットは使う場面は少なくなったけどオワコンではないです。
本記事の冒頭でも少し触れましたが近年では技術の進歩等により取り扱いに資格がいらないボイラーや冷凍機が多くなってきています。誰でも取り扱いができるよう簡易的なものでも十分な性能を確保できるようになってきているんです。
また、蛍光灯の安定器の交換で電気工事士の資格も必要でしたが、最近ではLED照明が主流になってきているので安定器の交換自体も減少しています。ビル管理の世界で電気工事士の資格が必要な場合も減っています。
資格を所有していても使う場面が減少しているので、資格を使うという意味ではビルメン4点セットはオワコン化が進んでいると言えます。
しかし、ビルメン4点セットはまだまだ必要な資格です。それはビル管理の世界は資格を重要視するからです。
会社として有資格者を確保したい
ビル管理会社はとにかく有資格者を増やしたいんです。
有資格者の数が多いとそれだけ優秀な人材がいる会社だとアピールすることができるので、新規で案件を獲得する時に有利になります。
ビル管理会社はオーナーの建物にビルメンを派遣し管理をおこなうことでお金を貰う商売です。有資格者が多いということは他社より自社の方が優れていることを客観的に証明できる武器になります。
また、オーナーとの間に締結するビル管理の委託契約書には【有資格者を何名以上配置する】といった内容がある記載されているケースがあります。
業務的に資格はいらなくても第2種電気工事士の資格者を5名以上配置するといった契約があれば守らないといけません。途中で契約を変えるなんてことはあまり見たことがありません。
このようなビル管理会社の実情を考えるとビルメン4点セットはまだまだ需要があります。
資格が社内の昇格や昇進のルールになっている
ビル管理会社の多くは資格を取得することが昇進や昇格の基準になっています。
- 主任以上:ビルメン4点セットは必須
- 現場責任者:ビルメン4点セット+ビル管または電験3種
上記は例ですが、こんな感じで資格によって昇進や昇格を決めているビル管理会社も多いです。
社内の人事ルールなんてそう簡単に変える訳にはいかないので、社内目線から見てもビルメン4点セットはまだまだ必要です。
転職の際の評価に使われる
ビル管理会社は有資格者を求めていることについては上記で解説しましたが、それは採用においても同様です。
ビル管理業界での転職活動ではガッツリ資格を見られるので資格を持っている転職者が有利になります。当然ですが、ビルメン4点セットも持っていれば評価されます。
転職活動の面から見るとビルメン4点セットは全くオワコンではありません。
軽くまとめ
ビルメン4点セットがオワコンかどうかについて見てきましたが、まだまだオワコンではないです。
たしかに昔と比べて資格を使う場面は減っていますが、ビル管理業界で評価されるには資格を取るしかないんです。
ビルメン4点セットはその資格の基本的なものなので、これからも必要な資格と言えます。
ここまではビルメン4点セットがオワコンかどうかについて解説してきたので、次は難易度やオススメの取得する順番などに焦点を当てて解説していこうと思います。
ビルメン4点セットの取得を目指す方はもう少し見てやってください。
ビルメン4点セットの難易度について
ビルメン4点セットを難易度順に並べるとこうなります。
- 危険物取扱者 乙種4類
- 2級ボイラー技士
- 第2種電気工事士
- 第3種冷凍機械責任者
それぞれ具体的に難易度を見ていきましょう!
危険物取扱者 乙種4類
危険物取扱者 乙種4類はビルメン4点セットの中でも難易度は最も低いです。
毎月のように試験を行っているので受験のハードルも低い資格となっています。
一夜漬けや一週間程度の勉強で合格する人も多い資格です。
2級ボイラー技士
2級ボイラー技士も難易度はそこまで高くありません。合格率50%もある試験です。
しかし、2級ボイラー技士は試験にプラスして実技講習を3日間受講しないといけません。
3日間の実技講習と試験合格の2つが揃った時に初めて免許が支給されます。
試験内容は過去問と全く同じ問題が出題されるケースも多いので、基本的に過去問メインの勉強で合格できる試験です。
第2種電気工事士
第2種電気工事士は筆記と実技試験の両方に合格しないといけません。
筆記試験は比較的簡単なのでそこまで心配はいりませんが、問題は実技試験です。
第2種電気工事士の実技試験では実際に工具を使用して配線していかないといけません。練習の為に工具や配線を買わないといけないのでお金がかかる試験です。
しかし、合格率だけ見ると50%以上と高いのでしっかり勉強すれば一発で合格することは十分に可能です。
試験は年に2回(上期、下期)実施されているので半年に1回受験のチャンスがあります。
第3種冷凍機械責任者
第3種冷凍機械責任者はビルメン4点セットの中で1番難易度が高いです。
合格率は平均30%ありますが、年によっては10%台に落ち込むこともあります。また、試験日が1年に1回(毎年11月)しかないのが厄介です。
ビルメン4点セットで1番難易度が高く、試験日が最も少ないのが第3種冷凍機械責任者です。
ビルメン4点セットは独学可能?
ビルメン4点セットは4つとも独学で合格可能な試験です。文系や未経験の方でも十分に独学で一発合格狙えます。
しかし、第2種電気工事士の実技試験だけは実際に工具を使って配線をするので独学が難しい人もいるかもしれません。
実技試験だけの教室やスクールがあるので、どうしても実技試験の勉強が上手くいかない人は利用しても良いと思います。
youtubeで動画を見ながら勉強するのもかなりオススメです!
取得する順番について
ビルメン4点セットは基礎的資格なのでどの順番から受けても問題ないかと思います。
王道なのは簡単な危険物乙種4類から受験するパターンですね。
しかし、第2種電気工事士と第3種冷凍機械責任者は試験日が少ないので注意が必要です。効率良く短期間でビルメン4点セットを集めたい人は第2種電気工事士と第3種冷凍機械責任者を優先して取得して、空いた月に危険物乙種4類と2級ボイラー技士を受けるのがオススメです。
まとめるとこんな感じです。
難易度が低いものから順番に受験する王道パターン
- 危険物取扱者 乙種4類
- 2級ボイラー技士
- 第2種電気工事士
- 第3種冷凍機械責任者
効率良くビルメン4点セットを集めたい人にオススメの順番
- 第2種電気工事士(上期受験)
- 第3種冷凍機械責任者険物取扱者(11月)
- 危険物取扱者 乙種4類
- 2級ボイラー技士
ビルメン4点セットを取得すると年収が上がる
ビル管理会社の多くが資格手当を支給しており、ビルメン4点セットを取得すると年収が上がります。
- 危険物取扱者 乙種4類:1000円/月
- 2級ボイラー技士:1000円/月
- 第2種電気工事士:2000円/月
- 第3種冷凍機械責任者:2000円/月
上記はあくまで例ですが、ビルメン4点セットを取得すると毎月会社から資格手当が支給されます。
資格手当の額は会社によって違いますが、ビルメン4点セットは基礎的資格なのでそこまで高額にはなりません。
1000円~3000円が相場です。難易度が高い第3種冷凍機械責任者が、ビルメン4点セットの中だと1番高額になることが多いです。
転職において有利になる
ビルメン4点セットは転職に使えます。
本記事の『ビルメン4点セットはオワコンなのか』の部分でも触れましたが、ビル管理会社は有資格者を求めています。
ビルメン4点セットを取得していれば転職活動は有利になります。特に未経験で転職したい方にはビルメン4点セットの取得はかなりオススメです。
難易度も低く独学でも取得できますし、面接でアピールできますからね。
大手の系列系ビル管理会社へのキャリアアップを狙っている人はビルメン4点セットだけだとちょっと厳しいかなって感じです。
電験やビル管など上位資格一つは欲しいですね。年齢にもよりますがビルメン4点セット+ビル管があれば大手の系列系ビル管理会社も十分狙えると思います。
キャリアアップを狙っている方はビルメン4点セットは最低限持っておきたい資格です。
最後に
本記事では『ビルメン4点セットがオワコンなのか』を中心に解説してきました。
まとめるとこんな感じです。
- ビルメン4点セットはまだまだオワコンではない
- ビル管理会社は有資格者が欲しいのでこれからも需要はある
- 年収UPや転職にはかなり重要
- 難易度はそこまで高くないので独学可能
ビル管理の世界ではまだまだビルメン4点セットは需要があります。これからビル管理業界を目指す方は是非取得を目指しましょう!
ビル管理の資格についてもっと知りたい方は下記記事をどうぞ!
参考までに
僕は文系で未経験でビル管理の仕事に就きました。ビルメン4点セットは1年ちょっとで全て一発で合格することができました。
受験した順番は難易度が低い危険物乙種4類からです。
- 危険物取扱者 乙種4類
- 2級ボイラー技士
- 第2種電気工事士
- 第3種冷凍機械責任者
先ほどご紹介した難易度が低いものから順番に受験する王道パターンで取得していきました。
電工の実技もyoutube等を活用しながら独学で乗り切ることができました。
実際に僕が取得した時の感想などは下記の記事でまとめていますので興味があればご覧ください。