第2種電気工事士(電工2種)は電気系の資格で人気が高いです。潰しが利く資格としても有名で、電気工事士会社やビル管理(ビルメンテナンス)業界など、幅広い仕事に役立ちます。
しかし、第2種電気工事士の試験は他の資格試験と違い、筆記と実技(技能)試験の両方があるので、取っつきにくいイメージがありますよね。特に文系の方は…
本記事では、そんな第2種電気工事士について、勉強方法を中心に解説しています。
こんな方にオススメの記事です
- 独学で電工2種の合格を目指している
- 文系なので数学が全くできないから不安
- できれば一発で、第2種電気工事士を取得したい
僕自身、文系で工具の使い方すらままならなかったのですが、一発で合格できました。その体験をもとに本記事を書いていますので、かなり踏み込んだ内容となっています。
第2種電気工事士(電工2種)とはどんな資格
第2種電気工事士とは
- 一般住宅や店舗などの600ボルト以下で受電する設備の工事に従事できる資格です。
第2種電気工事士は、実際に電気工事をおこなうことができるので、需要がある資格です。手に職をつけることもできるので、将来的に潰しが利く資格でもあります。
就職先としても電気工事会社、消防設備会社、ビル管理業界など、幅広い道へ進むことが可能です。それだけ取得する価値が高い資格ということですね。
正式名称は第2種電気工事士ですが、略して電工2種や2種電工と呼ぶことが多いです。
第2種電気工事士の試験概要
受験資格
- 受験資格:特になし
第2種電気工事士には受験資格がないので誰でも受験することができます。
試験日程
第2種電気工事士の試験は上期と下期の年2回実施されます。以前まではどちらか一方しか受験できませんでしたが、平成30年度から上期と下期両方の受験が可能となりました。少しチャンスが増えたのは嬉しいですよね。
年によって多少の違いはありますが大まかな日程はこんな感じです。
- 上期:筆記(6月上旬)、実技(7月下旬)
- 下期:筆記(10月上旬)、実技(12月上旬)
筆記と実技は2ヵ月近く間が空きます。
試験形式
第2種電気工事士の試験は筆記と実技(技能)試験の2科目があります。
- 筆記試験:4択のマークシート形式で、60%以上で合格です。(50問中30問正解で合格)
- 実技試験:事前に公表された13問の中から1問が出題され、実際に配線していきます。
筆記と実技の両方に合格できて初めて免状を貰うことができます。
筆記試験は電気科を卒業して所定の単位を取得していると免除になる場合があります。電気科や工業高校出身者の方は受験する前に免除できるか確認してから試験に臨みましょう。
合格率と難易度
第2種電気工事士の合格率は…
- 筆記:60%前後
- 実技:70%前後
と比較的高い水準にあります。同じ技術系のボイラー技士や危険物と比べても高い傾向にあります。
合格率だけ見てもそこまで難易度の高い資格ではありません。実技試験があるとどうしても難しいイメージが生まれてしまいますが、文系や工具すら触ったことがない人でも十分に1発で合格を目指せます。しかし、ノー勉では絶対に合格はできません。
やれば合格できるけど、やらないと合格できない試験です。
関連記事:第2種電気工事士の合格率から難易度を考察してみた|難しいor簡単?
第2種電気工事士【筆記試験】の勉強方法
第2種電気工事士は筆記と実技の両方があるので、それぞれ勉強していかないといけません。
まずは、筆記試験から見ていきます。
過去問メインで勉強しよう
第2種電気工事士の筆記試験の勉強法は単純明快です。
過去問をひたすら反復です!これだけで十分合格できる試験内容です。過去問を見ると分かるのですが、過去と全く同じ問題も数多く出題されているので、過去問を徹底的に丸暗記していくだけで余裕で合格ラインにいきます。
問題の内容も【写真の工具の名前を答えなさい】と言った簡単なものが多いのでひたすら過去問を反復しましょう。
過去問をやりつつ分からない問題があった時はインターネット上でググったり、参考書の解説を見るやり方がオススメです。いきなり参考書から入ると挫折する人も多いと思います。
- 過去問を解く
- 分からない問題を調べる(ググったり、参考書で)
- また、過去問を解く
- それをひたすら繰り返す
この流れでの勉強がオススメです。5年分くらい過去問をやれば、内容を掴めてくると思います。
計算問題を捨てるのはあり!?
第2種電気工事士の筆記試験の最初の10問は計算問題です。
- 数学だけは苦手だから計算問題は捨てたい
- 文系だし何十年も計算問題解いて無いから、できれば避けたい
こんな方も多いと思いますが、計算問題は無視しても合格は可能です。
上記の筆記試験についての解説でも少し触れましたが、第2種電気工事士には簡単な問題が多いので計算問題は全て間違っても他の問題で挽回することは余裕で可能です。
全体が50問なので計算問題を全て捨てると40問になります。合格ラインが30問正解なので40問中30問正解しなければなりませんが、器具や図記号の名称を答えるような簡単な問題をしっかりと答えれば合格はできます。
しかも、計算問題10問中全部間違えるのは確率的にもありえません。テキトーにマークしても2、3問は正解しているので意外といけます。他の資格試験は5択が多い中、第2種電気工事士の筆記試験は4択なので山勘でもあたる確率が高いです。
計算問題の最初の1、2問は合成抵抗など算数が分かれば解ける問題なので、そこだけ解くという方法もあります。
数学がどうしても苦手な方は…
- 計算問題を全て無視して、テキトーにマークするか
- 簡単な最初の問題のみ勉強して、残りは山勘か
どちかで臨みましょう!これでも合格は可能です。
筆記試験にオススメの過去問集とテキスト
電工2種の筆記試験は過去問の反復が大切なので過去問は購入するのがオススメです
こちらの『すい〜っと合格赤のハンディ ぜんぶ解くべし!第2種電気工事士 筆記過去問』はハンディタイプでコンパクトなので過去問をとにかくやり込むには最適です。
電車の中や寝る前のベットの中でも見れるので便利です。 お金をかけたくない人はこの過去問だけでもいいかなと思います。
テキストはこちらの第2種電気工事士筆記試験すい〜っと合格がオススメです。
過去問を解きつつ分からない問題を調べるのに役に立ちます。何度も言うようですが、筆記試験の勉強はとにかく過去問がメインになります。テキストのみで勉強するのはあまりオススメできません。テキストを買うなら過去問とセットで購入しましょう!
第2種電気工事士のテキストや問題集について詳しく知りたい方は下記記事をご覧ください。
実技(技能)試験の勉強方法
筆記試験に合格したら次はいよいよ実技試験です。
実技試験を受ける前の注意点
第2種電気工事士の実技試験の前には注意点があります!
実技試験は筆記試験の合格発表を待たずに、すぐに勉強を始めることが重要です。
実技試験は筆記試験後に2ヶ月くらいの時間が空きますが、筆記試験の合格発表を待ってから勉強を開始すると1ヵ月程度しか時間がありません。これは大きなマイナスなので、筆記試験が終わったらすぐに実技試験対策に取り掛かりましょう!
筆記試験は問題用紙を持ち帰ることができます。自分が回答した答えを書き込んでおいて自己採点ができるようにしておきましょう。
そうすれば、筆記試験の合格発表を待たずに合否が分かります。ネットで回答速報を見れば試験翌日には合否が分かります。合格していると分かったらすぐに実技試験の勉強スタートです!
実技試験は手を動かして練習するのがポイント
第2種電気工事士の実技試験は実際に工具を使って配線していきます。筆記試験とは違い自分の手を使いながら作業をします。
上記の画像のように配線を切ったり、コンセントに繋いだりしていくので工作のようなイメージです。
頭では分かっていても実際に作業をしないといけないのでしっかりと練習をするのが大切です。
こちらの独学でも第2種電気工事士の技能試験はいけます【理由は3つ】の記事でも解説していますが、そこまで難しい対策は必要ないです。独学でも十分に合格可能です。
第2種電気工事士の実技試験に出る問題はあらかじめ公表されています。
公表問題は13問あり、その中から1問が出題されます。あらかじめ出る問題が分かっているので対策もしやすいです。
個人的にオススメなのが動画を見ながらひたすら一緒に作るやり方です。
youtubeには実際に公表問題を製作している動画がたくさんあります。それを見ながら自分も実際に作っていくんです。
筆記試験の勉強と違って、手を動かして勉強していくのがポイントです!出る問題は決まっているので、余計なことは詰め込まずひたすら反復です。
最初の内は工具の使い方が分からず、時間もかかるのでどうしてもめんどくさいと感じてしまいます。工具の使い方に慣れてきて、ある程度配線できるようになったら合格まではあと一歩です。
慣れて来たら欠陥に注意
実技試験を勉強しながら注意しないといけないのが【欠陥】です。第2種電気工事士の試験ではリングスリーブの選択を間違えたり、ケーブル外装を損傷をするなどの欠陥があるとマイナスになります。重大な欠陥があると一発で不合格になってしまいます。
まずは公表問題を作ることに集中して反復します。ある程度慣れて来たら欠陥がないように作業のクオリティを上げていくのがポイントです。
実技試験の試験時間は40分なので試験が近づいてきたらスピードにも気を付けていきましょう!実際にストップウォッチで時間を測りながら作ってみるのがオススメです。
実技試験にオススメのテキスト
実技試験はテキストで勉強するより、動画で勉強する方がイメージしやすいのでオススメです!
youtubeを使えば無料で勉強できるのでそれで十分かと思います。
実技試験の注意ポイントでも触れましたが、実技試験は欠陥があると不合格になってしまいます。
欠陥の種類についてはテキストで勉強しておくのがオススメです。
こちらのテキストは画像が豊富で欠陥の判断基準も分かりやすく掲載されているのでオススメですよ!
動画で反復しつつ、このテキストで欠陥の判断基準を覚えていきましょう。
実技試験にオススメの工具と器具セット
実技試験には工具は必需品です!工具が無ければ100%合格はできません。
- ペンチ
- ドライバー(マイナス・プラス)
- 電工ナイフ
- スケール(メジャー)
- リングスリーブ用圧着工具
この辺りは最低限必要になります。バラバラに揃えても良いですがセットで購入するのがオススメです。
ホーザン(HOZAN) 電気工事士技能試験工具セットが特にオススメです!僕も実際に購入して試験に臨みました。工具についてはこのセットさえ購入すれば十分です。
特にホーザン(HOZAN) のVVFストリッパーはかなり便利で被覆を向いたり、電線を曲げたり、ペンチの代わりにもなったりと1つで何役もこなすことができます。
- 工具を全くを持っていない人:ホーザンの電気工事士工具セットでまとめて購入
- ある程度工具を持っている人:ホーザン のVVFストリッパー単品購入
がオススメです!
僕自身もホーザンの電工セットとストリッパーにはかなり助けられました。下記記事で詳しくレビューしているので、興味がある方は是非ご覧ください。
実技試験は実際に手を動かして反復する必要があるので、工具と一緒に電線と器具を購入するのがオススメです!
便利なことに公表問題を13問全て完成可能な電線と器具のセットがあります。
1回分と3回分があるので練習量に応じて選択ができます。
何回も復習したいという方は3回セットがオススメです!正直そこまで使わなくても合格はできますが、備えあれば憂いなしです。
余った配線はヤフオクやメルカリでも売れますので、少しでも不安がある人は3回セットを購入しましょう。
勉強方法のまとめ
第2種電気工事士の筆記と実技(技能)試験の勉強方法について解説してきました。
まとめるとこんな感じです。
- 筆記は過去問の反復でOK!
- 数学が苦手な人は最初の計算問題を捨てても合格できる
- 自己採点できるように問題用紙に自分の回答を書いておく
- 筆記試験の合格確認ができたらすぐに実技試験の勉強を開始
- 実技試験は動画を見ながら手を動かして覚える
- 公表問題を覚えて来たらテキストを見ながら欠陥の判断基準を確認
- 欠陥がないように作業のクオリティを上げつつ、40分以内で終わるようにスピードも意識する
第2種電気工事士は筆記と実技(技能)試験があるので試験期間が長期間になります。焦らず毎日反復することが大切です。
第2種電気工事士(電工2種) 合格までの勉強時間
続いて、第2種電気工事士の勉強時間について見ていきます。
筆記試験の勉強時間
第2種電気工事士の筆記試験は過去問題集の反復で合格することが可能なので、そこまで勉強時間はいらないです。
覚えの良い人だと2~3週間程度やれば十分に合格ラインに達することができます。
実技試験の勉強時間
筆記試験から実技試験までは2ヶ月くらいの時間があります。この2ヶ月間、実際に工具を使って練習すれば合格ラインには十分到達できると思います。
勉強方法の部分でも触れましたが、筆記試験の合格発表を待ってから勉強を開始すると1ヵ月程度しか勉強時間が取れません。1ヶ月だと未経験の方や初めて工具に触れるという方だとちょっと厳しいので、筆記試験が終わったらすぐに実技試験の勉強に取り掛かりましょう!
僕が合格した時の勉強時間
僕が第2種電気工事士の試験を受験した時は、文系で工具なんてほとんど使ったことがない状態でした。
勉強時間は以下の通りです。
- 勉強期間:筆記が3週間、実技が2ヶ月
- 勉強時間:1日平均1時間程度(試験日前日は3時間くらい)
筆記試験は過去問題集の反復だけで合格することができました。
実技試験はホーザン工具セットと練習用の電線と器具3回セットを購入して、youtubeの動画を見ながら練習しました。
ある程度できるようになったら動画を見ながらイメトレだけしていましたね。電線と器具3回セットを購入しましたが結局1回分程度しか使いませんでした。
動画でイメトレしていると複線図を描かなくても配線できるようになってきますよ。
最後に
本記事では、第2種電気工事士(電工2種)について、勉強方法を中心に解説してきました。
文系の方でも独学で十分に合格可能な試験です。実技試験が大切なので、実技はしっかりと対策をして臨みましょう。
第2種電気工事士は需要の高い資格です。会社によっては資格手当を貰えたりと取得するメリットは大きいです。
電気工事会社やビル管理会社への転職にも役立つ資格なので、是非取得を目指しましょう!
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