ビル管理(ビルメン)の仕事のメイン業務が設備や機械の点検です。建物の中にはたくさんの設備があるので、ビルメンが毎日点検をしています。
本記事では、ビル管理の点検ってどんなことをしているのかについて解説しています。
僕自身ビル管理の現場はホテルとオフィスビルを経験しているので、点検も数多くやってきました。
こんな方にオススメの記事です。
- これからビル管理の仕事に転職予定だから業務内容を見ておきたい
- ビルメンって楽な仕事って聞くけど、実際はどうなのか気になる
それでは、早速見ていきます。
ビル管理(ビルメン)ってどんな点検をしているの?
ビルメンの仕事内容は大きく5つに別けることができます。
- 日常巡回
- 修繕対応(クレーム対応)
- 点検
- 立会い
- 監視盤(CRT)
本記事では点検にフォーカスしていますので、全体的にビル管理の仕事を知りたい方は先に下記の記事をご覧ください。
- ビル管理の全体的な仕事内容についての記事:人気のビル管理の仕事内容を【画像付き】で解説します
- 修繕対応(クレーム対応)についての記事: ビルメンの修繕対応ってどんなことをするの?【雑用も多いです】
ビル管理の仕事の中で【点検】は1番やりがいを感じる業務だと個人的には思っています。建物の裏側にある大きな設備を実際に見ることができるので、楽しいと感じることも多いです。ビルメンにならないと知らなかった設備もたくさんあるので、最初の内は特に新鮮に感じますよ。
ビル管理の点検は建物全体に及ぶので多岐に渡ります。設備によって月1回点検しなければならないものもあれば、半年に1回だけ点検すればOKなものまで様々です。
それらを月間のカレンダーに落とし込んで計画を立てて点検していきます。
ここでは、次の6つに細分化して解説していきます。
- 電気設備
- 空調設備
- 熱源設備
- 消防設備
- 給排水設備
- その他
電気設備
建物やビルの中には電気室と呼ばれる部屋があります。発電所から送電されてくる電気を受電するところですね。
受電される電圧は6600Vや22000Vと高圧ですが、建物内で使用するコンセントや照明は100Vや200Vなど低圧となっています。受電した電気をそのビルで使用するために変圧していく役割などが電気室にはあります。
- 配電盤
- 分電盤
- 遮断機
- 断路器
- 電力量計
- 変圧器
具体的に上記の様な機器があります。これらの機器をビルメンが点検していきます。とは言ってもほとんど目視が中心です。電流値を取ったり、異音が無いかどうかをチェックしていきます。
電気設備に関しては年に一度、精密点検(年次点検)と呼ばれる建物を停電しておこなう点検もあります。精密点検は基本的に専門業者が点検をおこないますが、ビルメンも立会いや操作で関わります。
他にも、
- 非常用発電機
- 監視制御装置機器
- UPS(無停電電源装置)
上記の様な電気関係の設備があります。非常用発電機なんかは実際に点検で運転をします。現場によっては、ジェット機に使われる巨大なタービンが使われていたりするので爆音がします。機械いじりが好きな人はかなり面白いと思いますよ。
空調設備
空調設備は主に以下ものがあります。
- 外調機
- 空調機
- パッケージエアコン
- ファンコイルユニット
- 給排気ファン
空調設備とは簡単に言うと、建物内の温度や湿度を整える為の設備です。家庭内のエアコンをイメージしていただければOKです。建物やビルは巨大なので、色々な空調設備を組み合わせて管理しています。
ビルメンとして一番良くおこなう作業がファンコイルユニットやパッケージエアコンのフィルター交換です。大規模なビルになるとフィルターの数は何百枚にも及ぶので、結構ハードな作業です。
外調機や空調機は実際に中に入ってファンの状態をチェックしたりします。ものによっては自分の背丈より大きいです。
こんな感じで、外調機や空調機には点検口が付いているので中に入って点検していきます。結構狭いので、人によっては入れないことも良くあります。
その他にも、定期的にグリスを注入したり、ファンベルトの交換などもおこないます。
熱源設備
熱源設備には以下のようなものがあります。
- ボイラー
- 冷凍機
- 冷却塔
熱源設備とは簡単に言うと、建物内の温度や湿度を整える基ととなる温水や冷水を作る設備です。作られた温水や冷水は上記で解説した空調設備と組み合わせて利用されます。
ボイラーや冷凍機は建物の規模や用途によって全く違います。大きいボイラーや冷凍機になると建物の2階建て以上の大きさだったりします。ビルメンになって初めてボイラーを見た時はあまりの大きさに驚いたことを覚えています。
こう言った熱源設備もビルメンが点検をおこないます。ボイラーや冷凍機は資格もあるので、興味がある方は下記記事もご覧ください。
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消防設備
消防設備には以下のようなものがあります。
- 消火器
- 自動火災報知設備
- スプリンクラー設備
- ハロゲン化物消火設備
- 屋内消火栓設備
消防設備とは火災や災害があった時に使用する設備のことです。
正直、消防設備に関してはビルメンが点検している現場はあまり見たことがありません。消防設備会社に点検を委託しているケースが多いです。
しかし、知識としては必要になるので消防設備士関係の資格は取得することをオススメします。
関連記事:消防設備士4類【甲種・乙種】の違いとは|独学で合格する勉強時間と方法
給排水設備
給排水設備に以下のようなものがあります。
- 受水槽
- 汚水槽
- 雨水槽
- 給水、排水する為のポンプ
給排水設備とは簡単に言うと、建物内の水に関係する設備のことです。建物やビルの中には、上水(飲み水)を貯めておく受水槽や下水に配水する水を貯めておく汚水槽など様々種類の水槽があります。また、それらの水を送水するためのポンプが設置してあります。
これらの給排水設備の点検もビルメンの仕事です。
上記の画像のように巨大な水槽が建物の中にはいくつもあります。実際に水槽のマンホールを開けて槽内の確認等をおこないます。状況に応じて槽内に入ることもあります。
水槽内の清掃も法令によって決まっているので、水槽清掃もおこないます。水槽清掃に関してはビルメンがやることはほとんど無く、専門業者に委託しているケースが多いです。
因みに、汚水槽(トイレの排水が流れてくる)の臭いは半端ないです…
その他
基本的なビル管理(ビルメン)の点検は以下の5つの設備です。
- 電気
- 空調
- 熱源
- 消防
- 給排水
しかし、建物の種類や用途によってはこれにプラスして点検項目が増えていきます。
例えば、ホテルなんかは温泉設備やプール設備が追加されます。温泉やプールは温度や水質管理が大切なので、定期的に温度や水質チェックをしたり、ろ過機等の点検をおこないます。
レストランや厨房がある現場では厨房内の冷蔵庫や冷凍庫もビルメンが点検等をおこないます。
こんな感じで、配属される現場によっても点検する設備は変わってきます。
最後に
本記事では【ビル管理(ビルメン)ってどんな点検をしているの?】というテーマについて解説してきました。
ビル管理の仕事は、建物全体の幅広い設備に関わるので点検する設備も多岐に渡ります。
建物の裏側にある設備に触れられる点検業務はビルメンの醍醐味でもあります。特に最初の内は楽しく感じることも多いですよ!