ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事の一つに修繕対応があります。クレーム(トラブル)対応や補修・営繕作業など呼び方は会社や現場によって様々ですが、やることは一緒です。
本記事では、ビル管理(ビルメンテナンス)の修繕対応は実際にどんなことをやるのか具体的に解説していきます。
こんな方にオススメの記事です。
- これからビル管理の仕事に転職を考えている
- ビルメンの実際の仕事内容について詳しく知りたい
それでは、早速見ていきましょう!
ビルメンの修繕対応ってどんなことをするの?
ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事内容は大きく5つに別けることができます。
- 日常巡回
- 修繕対応(クレーム対応)
- 点検
- 立会い
- 監視盤(CRT)
本記事では修繕対応(クレーム対応)にフォーカスしていますので、全体的にビル管理の仕事を知りたい方は先に下記の記事をご覧ください。
- ビル管理の全体的な仕事内容についての記事:人気のビル管理の仕事内容を【画像付き】で解説します
- ビル管理の点検についての記事:ビル管理ってどんな点検をしているの?【ビルメンの醍醐味です】
ビル管理(ビルメンテナンス)の修繕対応とは
・テナントやお客さんから様々な依頼が来るので、それに合わせて対応する業務の事です。
建物の幅広い設備に関わる関係上、ビル管理の修繕対応も多岐に渡ります。
かなり膨大になるので次の5つの項目に細分化して解説していこうと思います。
- 電気
- 空調
- 建築
- 衛生
- その他
電気関係
電気関係の修繕対応で最も頻度が高くポピュラーなのが管球交換です。ビルメンの修繕対応で一番多い仕事でもあります。
やることはとても簡単です。テナントやお客さんから『蛍光灯が切れたので交換してください』と依頼が来るので、蛍光灯を持って現場に行き交換するだけです。
交換しても点灯しない場合は原因を究明していきます。大抵の場合は安定器の不良なので、交換をおこないます。
管球交換以外にもスイッチやコンセントなどの交換もビルメンがおこないます。しかし、照明器具の増設などの大掛かりなものになると工事会社に委託することが多いです。
現場の考え方やビルオーナーの意向なども関係してきますが、あくまでビルメンがやるのは交換がメインです。
安定器やスイッチの交換をおこなうので、ビルメンには第2種電気工事士の資格が必要になります。
意外と大変な管球交換
ビルメンの修繕対応(クレーム対応)で一番多い管球交換ですが、意外と大変なことも多いです。普通のオフィスビル等の事務室でしたら、脚立を立てて蛍光灯を変えるだけなので簡単です。
しかし、ホテルや商業施設だとそうもいきません。エントランスなんかはかなりの高所になっているので、スライダーを使ったり、高所作業車を使って電球を変えたりします。レストランの照明には高級なガラスのカバーが付いていたりするので、3人掛りでないと交換できない電球なんかもあります。
こんな感じで、管球交換一つとっても現場によって全く違ってくるのがビル管理の世界です。
関連記事:【注意】現場によってはビル管理って全然 楽じゃないですよ
管球交換はLED化によって減少している
現場によっては照明のLED化が進んでいるので、そういう現場では管球交換は減少しています。新築のビルなんかは特にその傾向にあるのではないでしょうか。
しかし、古いビルではそこまでLED化は進んでいないので、ビルメンの仕事として管球交換はまだまだ続きそうです。
空調関係
暑いや寒いと言った空調関係の対応もビルメンがおこないます。
テナントから『室内暑いんだけど見てくれない』と言うようなクレームの電話が来るので、温度計や風速計を持って現場に向かい、状況に応じて臨機応変に対応します。
室内が全体的に暑い場合は監視室(CRT)で空調機本体の設定温度をいじったり、テナントの一部のみ暑い場合は空調機の吹き出し口の開度を調節したりします。
こんな感じで、空調対応はテナントの要望を聞きつつ対応するので、この時ばかりはコミュニケーション能力が求められますね。
特に、中間期は暑い寒いが人によってバラつくので、空調管理は難しいです。
空調関係ですと、温度調節以外にも以下の様な修繕対応があります。
- パッケージエアコンから異音がする
- ファンコイルユニットから変な臭いがする
- エアコンのドレンが詰まって天井から水漏れしている
冷凍機械責任者の資格試験で出題される冷凍サイクルの知識があると、空調関係のクレーム対応に活かすことができますよ。
建築関係
建築関係の修繕対応で多いのが、扉の異音です。
『扉がキーキー言うので何とかしてください』という依頼がかなりの頻度で来ます。大抵の場合はCRC(シリコンスプレー)でなんとかなります。異音箇所に吹きかけて終わりです。
ビルメンになると本当にこのCRCは使うこと多いですよ!何度も助けて貰いましたね。
CRCでも直らない場合はドアクローザーやヒンジを交換したりして対応します。
建物内には無数の扉があるので、扉の異音関係の修繕対応はかなり多いです。
建築関係ですと、扉の異音以外にも以下の様な修繕対応があります。
- 扉の取っ手が壊れた
- 自動ドアがレールから外れた
- エントランスの廊下の大理石が欠けている
衛生関係
衛生関係とは主にトイレのことです。
ビルメンの代表的な仕事として有名ですが、トイレの詰まりの除去などが衛生関係の修繕対応にあたります。
基本的にトイレの詰まりは【ラバーカップ】と呼ばれる道具を使います。
こんな感じの道具です。ラバーカップで吸引することにより詰まりを解消することができます。
ラバーカップでもダメな場合は便器を外して、カンツールと呼ばれるワイヤーを入れていきます。
こんな奴です。先端のワイヤーを配管の中へ挿入していくことで、配管内の詰まりを取り除くことができます。
ラバーカップで直る時は楽なのですが、カンツールまで使うときはめちゃくちゃ大変です。臭いもきついので、トイレ関係の修繕対応(クレーム)はできればやりたくないものです。
トイレ関係ですと他にも以下の様な修繕対応があります。
- 手洗いの石鹸が出ない
- 洗面台に指輪を落としたからトラップを外して欲しい
- 小便器のセンサーが壊れて水が流れない
- ウォシュレットが壊れて使えない
その他の修繕対応(雑用も多いです)
上記では電気や空調など分野ごとにビルメンの修繕対応を見てきましたが、他にもたくさんあります。
多くなりそうなので箇条書きで見ていきます。
- 冷蔵庫が冷えない(厨房機器の不具合もビルメンが最初に対応します)
- 厨房内でゴキブリが出た(害虫やねずみもビルメンの担当領域です)
- 厨房のシンクが詰まった(変な物流す人も多いです)
- 雪が積もっているので雪かき(台風や大雪などの対応もビルメンです)
- 客室関係の修繕対応(ホテルのビル管理には付き物です)
- 壁紙の剥がれや傷などの補修(細かい補修作業もあります)
- 電話機が故障してノイズが入る(電話機の故障も一時対応はビルメンがやったりします)
こんな感じで、他にも色々な修繕対応があります。どんな依頼が来るかは正直ビルメンを何年やってても予想できなかったりします。
雑用もあります
ビルメンがおこなう修繕対応の中には、雑用のような依頼も多いです。
本来はビルメンがやる仕事じゃなくても、テナントやお客さんからの依頼なので中々断ることができないのが本音です。
いくつかご紹介します。
- シュレッダーに紙が詰まったから取って
- 事務室内でレイアウト変えるから家具の移動を手伝って
- 料理で使うお玉が壊れたから直して
- 厨房機器の油汚れが取れないから、夜間綺麗にしておいて
- 会議室のプロジェクターの使い方が分からないから教えて
- 引き出しの奥に物が引っ掛かって、引き出しが動かないから取って
こんな感じで、雑用っぽい仕事もビル管理(ビルメンテナンス)には付き物です。
最後に
本記事では、ビル管理(ビルメンテナンス)の仕事の一つである修繕対応について解説してきました。
電球交換からトイレの詰まりの除去まで色々なことをやります。
ビル管理の修繕対応は現場によってかなり変わってきます。楽な現場に当たったら修繕対応1日0件なんてこともあります。管球交換すら1件も来ない日も珍しくありません。しかし、激務現場(ホテルなど)に当たれば、大量の修繕対応で1日動きっぱなしになります。管球交換依頼だけで1日30件以上来ることも普通にある世界です。