ボイラー技師と言う資格はご存知でしょうか?名前の通りでボイラーに関する資格と言うのはイメージできるかと思います。
本記事では、ボイラー技師について
- ボイラー技師とはどんな資格なのか?
- 2級や1級など種類があるけど何が違うのか。
- 取得するとどんなメリットがあるのか。
など、ボイラー技士について網羅的に解説しています。
僕自身、ボイラー1級まで取得できたので、体験談も含めて解説していますので、是非最後までご覧下さい。
ボイラー技師とはどんな資格?
それでは、早速ボイラー技士について解説していきます。
そもそも、ボイラーって何?
ボイラーとは蒸気や温水を作る装置のことです。
ボイラーで作られた蒸気や温水は、加熱や加湿、動力など様々な物に利用されます。分かりやすいところで言うと、建物の内の暖房ですね。
目に見える部分では使われていないので、若干馴染みは薄いですが、建物の裏側ではボイラーが作った蒸気や温水は重要です。
実は、火力発電所や蒸気機関車もボイラーと同じ仲間になるんです。
ボイラー技士とは
ボイラー技師とは、上記で解説したボイラーを取り扱うことができる資格です。
また、ボイラーの伝熱面積(大きさ)によって、ボイラー技士の有資格者をボイラー取扱作業主任者として、専任しなければならないと法律で決まっています。
2級・1級・特級の3つに別れる
ボイラー技師の資格は以下の3つに別れます。
- 2級ボイラー技師
- 1級ボイラー技師
- 特級ボイラー技師
ボイラー技士の正式名称は、上記のように『○級』がボイラー技士の前に付きます。しかし、一般的にはボイラー2級など省略して呼ぶことが多いですね。
3つの違いとしては、ボイラー取扱作業主任者となれる伝熱面積の大きさです。
- 2級ボイラー技士:伝熱面積の合計が25m2未満のボイラーに対して、ボイラー取扱作業主任者となることが可能。
- 1級ボイラー技師: 伝熱面積の合計が500m2未満のボイラーに対して、ボイラー取扱作業主任者となることが可能。
- 特級ボイラー技士:全てのボイラーに対して、ボイラー取扱作業主任者となることが可能。
(※一部貫流ボイラーなどは例外の場合があります)
2級→1級→特級とステップアップしていくイメージです。特級まで取得できれば、全てのボイラーに対して、取扱作業主任者となることができます。
順番に受験しなければならない
ボイラー技士の資格は、2級→1級→特級と順番に受験しなければいけません。
飛び級して、いきなり1級を受験するということはできません。
ボイラー技士と合わせて受験する人も多い【冷凍機械責任者】は、飛び級で受験することが可能なので、混同しがちですが、ボイラー技士は飛び級はできないので注意が必要です。
ボイラー3級と間違える人も意外と多い
インターネット上を見ていると、ボイラー3級と間違えている人も多いようです。3つに別れているので間違えやすいですが、ボイラー技士は2級からスタートです。
ボイラー技士の免許証について
上記の画像は、1級ボイラー技士の免許証です。下の方に【1】と言う文字がありますよね。所有している資格のところに【1】が付きます。
ボイラー整備士とボイラー技士との違いは
ボイラー技士とは別に、ボイラー整備士と呼ばれる資格もあります。
この二つは全くの別物なので、注意が必要です。
ボイラー技士がボイラーを取り扱う為の資格なのに対して、ボイラー整備士はボイラーを整備することのできる資格になります。
- ボイラー整備士とは、一定の容量を超えるボイラー及び第1種圧力容器の整備をおこなうことのできる資格
ボイラー技士って女性でも取得できるの?
ボイラー技士は、女性の方でももちろん取得可能です。
実際に僕がボイラー技士の試験を受けた時も、女性の方はいらっしゃいました。
ボイラー技師を取得するメリット:活かすことができる仕事がある
ボイラー技師を取得すると、ボイラーと関わりがある仕事に就職・転職するのに有利になります。
ボイラーと関わりがある仕事は以下のようなものがありますね。
- 工場
- 地域冷暖房施設
- ビル管理(設備管理)
工場
工場では、ボイラーが作り出す蒸気や温水を利用しているケースがあります。
ボイラーの取り扱いができるボイラー技士の資格を持っていると活かすことができますね。
地域冷暖房施設
地域冷房施設とは、冷水や蒸気(温水)を製造する施設のことです。地域冷暖房施設で作られた冷水や蒸気(温水)は周面の建物やビルで使われます。
本来であれば、建物ごとにボイラーなどの熱源設備を設けて蒸気(温水)を作る必要があります。しかし、地域冷暖房施設から蒸気を受け取ることができると、建物ごとに熱源設備を持つ必要が無くなるというメリットがあります。
地域冷暖房施設は複数の建物に蒸気(温水)を供給する必要があるので、大型のボイラーが必要になります。その為、ボイラー技士の有資格者は資格を活かすことができますね。
ビル管理(設備管理)
ビル管理(設備管理)は、建物内の設備の点検や保守をする仕事です。
ビルメンテナンス(略してビルメン)と呼ばれることもありますね。
ビル管理の仕事においてボイラー技士は鉄板の資格なので、もちろん活かすことができます。
僕自身もビル管理の仕事に就いてから、ボイラー技士の資格を取得しました。
2級ボイラー技士は、ビル管理の基礎的資格をまとめたビルメン4点セットの中にも入っているので、ビル管理業界を目指す方には特にオススメの資格です。
基礎的資格:ビルメン4点セット
本ブログでは、ビル管理の仕事について色々とまとめていますので、興味がある方は是非ご覧ください。
ビル管理(設備管理)の仕事について知りたい方向けリンク
ボイラー技士を取得する方法について
本記事の序盤でも触れましたが、ボイラー技士の資格は2級から順番に受験しなければいけません。いきなり1級や特級を受験することはできません。
ボイラー技士を取得したい方はまずは、2級ボイラー技士からチャレンジしていきましょう!
2級ボイラー技士を取得する方法【注意点あり】
2級ボイラー技士に受験資格は無いので、誰でも受験可能ですが、注意点があります。
2級ボイラー技士は試験合格だけでは、免許を貰うことができません。免許を貰うには、ボイラーの実務経験が必要になります。
2級ボイラー技士を取得したい人
安心してください!ボイラーの実務経験の代わりとなる【ボイラー実技講習】という3日の講習があります。この講習に参加して修了証を貰えば、ボイラーの実務経験として扱ってくれます。
まとめると、
- 2級ボイラー技士の試験合格
- ボイラー実技講習に参加して修了証を貰う
この2点を満たせば、2級ボイラー技士の資格を取得することができます。
試験とボイラー実技講習はどちらが先でも問題無いですが、特に理由がなければ先にボイラー実技講習を受講することをオススメします。
ボイラー実技講習や2級ボイラー技士の勉強方法については、別記事で詳しくまとめていますので、是非ご覧ください。僕自身が受験した時の体験談を含めて解説していますので、勉強の参考になるかと思います。
2級ボイラー技士の試験は難易度がそこまで高くないので、十分に独学で対応可能です。
ボイラー実技講習について知りたい方向け記事
2級ボイラー技士の勉強をしたい方向け記事
2級ボイラー技士の勉強方法や勉強時間について知りたい方向けの記事です。
2級ボイラー技士の勉強におすすめのテキストや問題集を知りたい方向けの記事です。
試験前に合格率や難易度も確認しておきたい方はこちら。
1級ボイラー技士を取得する方法
2級ボイラー技士を取得することができたら、1級ボイラー技士を受験することが可能になります!
しかし、1級ボイラー技士についても免状を貰うには、2級と同様に実務経験が必要になってきます。
- 2級ボイラー技士の免状取得後、2年以上ボイラーを取り扱ったという実務経験が必要(取扱作業主任者として選任していた場合は1年以上で大丈夫です)
(※小型のボイラーなどは実務経験として認められないので、意外と厳しい)
具体的には、上記の実務経験が必要です。
免状を貰うには実務経験が必要ですが、試験を受験するだけなら2級ボイラー技士を取得していれば、可能です。
「先に1級ボイラー技士の試験に合格→実務経験を満たしたら免状を貰う」と言うこともできます。
2級と1級では、難易度がほとんど変わらないので、個人的には2級ボイラー技士を取得したら、そのままの流れで1級も受験してしまうのがオススメです。
関連記事:ボイラー2級を取得後すぐにボイラー1級を受験する3つのメリットとは
1級ボイラー技士を勉強したい方向けリンク
1級ボイラー技士の勉強方法や勉強時間について知りたい方向けの記事です。
1級ボイラー技士の勉強におすすめのテキストや問題集を知りたい方向けの記事です。
試験前に合格率や難易度も確認しておきたい方はこちら。
最後に
本記事では、ボイラー技師について、資格の内容や取得するメリットなどを解説してきました。
まとめるとこんな感じです。
- ボイラー技士とは、ボイラーを取り扱うことができる資格
- 2級・1級・特級の3種類に別けられていて、作業主任者となれる伝熱面積が違う
- 取得すれば工場やビル管理会社などの仕事に活かせるメリットがある
- 飛び級はできないので、ボイラー技士を取得する場合は2級から受験する必要がある
ボイラー技士は工場やビル管理(設備管理)など、ボイラーを取り扱う仕事においては必要不可欠な資格です。
難易度的にもそこまで高くないので、興味がある方は気構えせずに積極的に取得していきましょう!