冷凍機械責任者と言う資格はご存知でしょうか? 名前の通りで冷凍機に関する資格と言うのはイメージできるかと思います。
しかし、〇〇種などの種類の違いもあるので、少し取っ付きにくい部分もありますね。
本記事では、 冷凍機械責任者について、
- どんな資格なのか
- 種類の違いは何なのか
- 取得すると、どんな仕事につけるメリットがあるのか
- 需要はある資格なのか
など、網羅的に解説しています。
冷凍機の資格に興味がある方や資格の勉強をしている方は是非ご覧くださいませ。
冷凍機械責任者とはどんな資格
それでは、早速ですが、冷凍機機械責任者とはどんな資格か解説していきます。
冷凍機械責任者とは
高圧ガス保安法で定められている、高圧ガス製造保安責任者の資格区分の一つが冷凍機械責任者です。
冷凍に関わる高圧ガスを製造する施設において、保安の業務を行うことができる資格になります。
また、一定規模以上の冷凍設備がある現場では、冷凍機械責任者の有資格者の中から【冷凍保安責任者】を選任しなければならないと法律で定められています。
冷凍機械責任者は3種類に分かれる
冷凍機機械責任者の資格は以下の3つの種類に別れます。
- 第3種冷凍機械責任者
- 第2種冷凍機械責任者
- 第1種冷凍機械責任者
正式名称は『第○種』が冷凍機械責任者の前に付きます。 一般的には「冷凍3種」や「2冷」のように略して呼ぶことが多いですね。
3つの違いは、保安業務ができる範囲です。
- 第3種冷凍機械責任者:1日の冷凍能力が100t未満の製造施設における保安が可能
- 第2種冷凍機械責任者:1日の冷凍能力が300t未満の製造施設における保安が可能
- 第1種冷凍機械責任者:全ての製造施設において保安が可能
上記のように3→2→1とステップアップしていくイメージです。第1種まで取得できると全ての高圧ガスを製造する施設において、保安の業務が可能です。
飛び級で受験することもできる
冷凍機械責任者は第3種から順番に受験する必要はありません。
いきなり1種や2種を受けることも可能です。
合わせて受験する人も多いボイラー技師は、 2→1と順番に受験しないといけないので、混同しがちですが、冷凍機機械責任者は飛び級受験ができます。
関連記事:【ボイラー技士とは】どんな資格か解説|取得するメリットや種類について
冷凍機機械責任者を取得するメリット:活かせる仕事がある
冷凍機機械責任者を取得するメリットは、冷凍機を扱う仕事に就職・転職するのに有利になることです。
具体的には、以下のような仕事があります。
- 倉庫管理
- 空調設備工事や修理
- 地域冷暖房施設
- ビル管理(設備管理)
倉庫管理
業務用の倉庫を管理する会社ですと、大型の冷凍庫や冷蔵庫も管理しているケースが多いです。
業務用となると、大きな冷凍能力が必要になる為、冷凍機機械責任者の資格を活かすことができる仕事ですね。
空調設備工事や修理
空調設備会社でも冷凍機械責任者の資格を活かすことができます。
空調機やエアコンなどのメンテナンスをおこなう時に、冷凍機機械責任者の試験で勉強したことは役に立ちます。
会社によっては資格手当などもあるので、給料UPも望めますね。
地域冷暖房施設
地域冷房施設とは、冷水や蒸気(温水)を製造する施設のことです。地域冷暖房施設で作られた冷水や蒸気(温水)は周面の建物やビルで使われます。
本来であれば、建物ごとに冷凍機を設けて冷水を作る必要があります。しかし、地域冷暖房施設から冷水を受け取ることができると、建物ごとに冷凍機を設ける必要が無くなるというメリットがあります。
地域冷暖房施設は複数の建物に冷水を供給する必要があるので、大型の冷凍機が必要になります。その為、冷凍機機械責任者の有資格者は資格を活かすことができますね。
ビル管理(設備管理)
ビル管理(設備管理)は、建物内の設備の点検や保守をおこなう仕事です。ビルメンテナンス(略して、ビルメン)とも呼ばれますね。
建物によっては、大型の冷凍機があるので、冷凍機機械責任者の資格を活かすことができますね。
また、ビル管理(設備管理)の仕事において、冷凍機械責任者は鉄板の資格になります。
僕自身もビル管理の仕事に就いてから、取得しました。
第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)は、ビル管理の基礎的資格をまとめた【ビルメン4点セット】の中にも入っているので、ビル管理業界を目指す方には特にオススメの資格です。
基礎的資格:ビルメン4点セット
本ブログでは、ビル管理(設備管理)の仕事について、別記事でまとめていますので、興味がある方は是非ご覧ください。
ビル管理(設備管理)の仕事に興味がある方向けリンク
冷凍機機械責任者の需要は減っている?
最近では、冷凍機の技術的進歩などにより、取り扱いに冷凍機械責任者の資格がいらない冷凍機も増えて来ています。
その為、資格を使うという意味では、需要は減少傾向にあるかと思います。
しかし、資格がいらない冷凍機であっても、取り扱いや管理をする以上は知識は必須です。冷凍機械責任者の資格を取得すると、冷凍機や高圧ガスの知識を持っている証明になります。
上記で解説しました倉庫やビル管理(設備管理)など、冷凍機を取り扱う仕事には、まだまだ需要がある資格と言えますね。
第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)を取得したい方に向けて
僕自身、第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)は独学で1発合格することができました。
その経験をもとに、勉強方法や勉強時間について解説していますので、取得に挑戦したい方は是非参考にしてみてください。
第3種冷凍機械責任者の勉強方法や勉強時間について
冷凍機械責任者は年一回しか受験できない試験です。その為、なるべく一発で合格を目指したい試験と言えます。
上記の記事では、実際に一発で合格した時の勉強方法や勉強時間を解説しているので、勉強の参考になるかと思います。
テキスト・問題集・アプリについて
こちらの記事では、第3種冷凍機械責任者(冷凍3種)の勉強にオススメのテキスト・問題集・アプリについて解説しています。
第3種冷凍機械責任者の合格率や難易度
こちらの記事では、第3種冷凍機械責任者の合格率や難易度について解説しています。
試験前に合格率や難易度を知っておきたい方向けの記事です。
まとめ
本記事では、冷凍機械責任者について、種類の違いや取得するメリットなどを中心に解説してきました。
まとめるとこんな感じです。
- 冷凍機械責任者とは、冷凍に関わる高圧ガスを製造する施設において、保安の業務を行うことができる資格
- 第3~1種までの3つに別けられていて、1種を取得すれば全ての製造施設において保安業務が可能
- 冷凍機械責任者は、飛び級ができるので、いきなり2種や1種を受験可能
- 取得すれば、倉庫、地域冷暖房施設、ビル管理(設備管理)などの仕事に活かせるメリットがある
- 最近では、取り扱いに冷凍機械責任者の資格がいらない冷凍機も増えているが、知識としては必要なので需要はある
冷凍機械責任者は、倉庫、地域冷暖房施設、ビル管理(設備管理)など、冷凍機を取り扱う仕事には必要不可欠な資格です。
これらの仕事に就きたい方は、取得する価値は十分にありますね。
独学で合格を目指せる資格なので、興味がある方は気構えせずに挑戦していきましょう!