自衛消防技術試験とはビル管理業など防災センターで勤務する仕事に必要な資格です。
とは言っても東京都限定の資格になるので若干馴染みが薄いです。
他の有名資格ですとネット上にたくさん情報がありますが、自衛消防技術試験については馴染みが薄いのかあまり情報がありません。
本記事では、そんな自衛消防技術試験についてまとめています。また、合格するための勉強方法や実技対策も解説していますので是非ご覧ください。
自衛消防技術試験とは
自衛消防技術試験とは東京都火災予防条例で定められた試験です。試験に合格すると自衛消防技術認定証が貰えます。
貰える自衛消防技術認定証がこちらです。
防災センターにおいて監視、操作等の業務に従事する者や自衛消防活動の中核となる要員の人はこの認定証がないといけません。
東京都で警備員や設備管理の仕事をする場合は必須の資格と言えます。
自衛消防技術試験の試験概要
受験資格
- 受験資格:特になし
自衛消防技術試験は受験資格がないので誰でも受験が可能です。
試験日程
- 試験日程:月に1~6回
月に1~6回程度とかなり試験日が多いので、受験しやすい試験です。
試験会場【秋葉原・立川】
試験会場は秋葉原と立川に2箇所あり、好きな方で受験することができます。
他の資格ですと試験会場が選べないことが多い中、自衛消防技術試験は会場を選択することが可能です。
合格率と難易度
気になる合格率ですが自衛消防技術試験はかなり高いです。
平均して70%以上の合格率がある試験です。場合によっては80%を超える試験日もあるようなので、合格率だけみると難易度は低い試験と言えます。
合格基準は全科目60%以上できていれば合格です。
試験内容
自衛消防技術試験の試験内容は筆記と実技試験の2つです。筆記と実技を1日でおこないます。
午前中に筆記試験を実施して、合格した人だけが午後の実技試験に進めるんです。
午前の筆記試験が終わったら結果発表まで待機しなければいけないのが少し面倒です。受かった人は良いですが、落ちた人は散々待ったあげくに帰宅しなければいけません。
午後の実技試験は集団実技と個別実技に別れています。集団実技は実技試験と言っても記述式です。問題に対して文章で答えていく試験です。
個別実技は試験官と1対1で個室でおこなわれます。実際に屋内消火栓や消火器などの消防設備の使い方が正しいのかを試験官にチェックされます。
実技試験で落ちてしまった場合は、筆記試験合格後6か月以内であれば筆記試験が免除されます。
勉強方法と実技対策
自衛消防技術試験は筆記と実技があるのでそれぞれ対策をしないといけません。
特に厄介なのが実技試験の中の個別実技です。試験官の前で実際に消防設備などを取り扱うのでノー勉だと普通に落ちます。
では筆記と実技(集団実技、個別実技)に別けて勉強方法を見ていきましょう!
筆記試験
自衛消防技術試験の筆記試験の勉強方法は単純明快です。
上記の問題集をひたすら反復するだけでOKです。自衛消防技術試験は他の資格のように市販のテキストや過去問集がありません。
上記の画像の東京防災緊急協会が出している緑色の問題集で勉強するしか方法がないので変に問題集で迷う必要がないです。
自衛消防技術試験のテキストと問題集については下記記事で詳しく解説しています。
筆記試験の内容も問題集とほぼ同じ問題が毎回でているので問題集の反復だけでも十分合格可能です。
画像や図でしっかり理解したい方は青色の学科編を購入することをオススメします。僕も念のために買いました。できるだけお金を安く抑えたいという方は問題集だけで大丈夫かと思います。
また、東京消防庁のホームページには過去問も一部アップされていますが基本的に問題集だけで対応できると思います。
集団実技
集団実技は実技と言っても記述式のテストです。筆記試験はマークシートですが、集団実技は自分の文章でしっかりと記述しないといけません。マークシートのように運だけで正解することはないので勉強は必要になります。
粉末消化器の操作手順を順番に答えてください
火元まで消火器を運ぶ→安全栓を抜く→ノズルの先を火点に向ける→消火器のレバーを強く握る→燃焼物に直接放射
こんな感じで集団実技は自分の言葉で回答しないといけない点が筆記試験との大きな違いです。
余計なことを書くと減点されてしまうので、正解だけを簡潔に書くのがポイントです。
部分点もあるので問題の全てが分からなくても、諦めずに分かる部分だけは記入しましょう。
集団実技も筆記試験と同じ緑色の問題集での勉強が基本です。それにプラスして実技編の赤いテキストを見ることをオススメします。
上記の実技編の赤いテキストは画像付きで解説されているのでイメージがしやすく操作手順等の問題は理解するのに役立ちます。
実際に消防設備を取り扱ったことがない人は絶対に見ておいた方が良いです。
個別実技
集団実技が終わったら1人1人個室に案内され個別実技がおこなわれます。
個別実技は集団実技の記述式とは違い、試験官の前で実際に消防設備を取り扱わないといけません。英検の面接試験みたいな感じです。
地下で火災が発生しました。非常放送をおこなってください。
屋内消火栓の操作をおこなってください。
出血している怪我人がいました。三角巾を使って止血してください。
上記のような問題が出題されますので、速やかに行動しないといけません。
個別実技は考える時間がないので結構テンパります。本当に火災が発生した時に悩んでいる暇はありませんよね?試験もそれと同じです。
試験でテンパらない為にも実技編のテキストを参考にイメージトレーニングをしておくのがポイントです。
画像を見ながら実際に自分が使う立場になってイメージをすることが個別実技を突破するには必要不可欠です。
言葉では分かっていてもいきなり実物を扱うのは難しいですからね。
警備やビルメン(設備管理)の仕事をしていて現場で消防設備に触れることができる人は、イメージだけでなく実際に練習もできるのでかなり有利です。
個別実技は服装やマナーに気を付けると受かりやすい!?
服装やマナーで試験結果が変わることはないとは思いますが最低限の服装やマナーを守っていくのがオススメです。
個別実技は試験官との一対一の試験なのであまりにも態度やマナーが悪いと試験官の印象が良くないです。
無駄なところで印象を悪くしないためにも最低限の服装やマナーは守りましょう。
こちらの記事で詳しく書いています。
自衛消防技術試験に合格するまでの勉強時間
自衛消防技術試験は基本的に問題集の反復で合格することができます。
3週間程度あれば問題集を数周して、テキストで分からない問題を復習することも十分に可能です。
ノー勉で受かるのは厳しいですが、そこまで長期間の勉強時間は必要ないかなと思います。
僕が合格した時の勉強時間
僕が自衛消防技術試験を合格したときの勉強期間は2週間です。問題集を暗記するようなイメージでとりあえず反復していました。実技用テキストは実技試験の対策で暇な時間にちょいちょい見ていました。青い方の学科編のテキストは一応買ったのですがほとんど見ていなかったです。
勉強を始めた時は消防設備の知識なんて全くなかったですが、無事一発で合格できました。
人によっては一夜漬けでも受かることもあるみたいですが、あまりオススメはできません。
最後に
本記事では、自衛消防技術試験に合格するための勉強方法ついて解説してきました。
まとめるとこんな感じです。
- 筆記試験は問題集の反復でOK
- 集団実技は記述式
- 個別実技は試験官と一対一
- 集団、個別実技は実技編のテキストを参考に勉強する
- 試験官への印象を考えて最低限の服装とマナーで臨む
自衛消防技術試験は合格率が70%越えと高いですし、毎月数回は試験を実施しているので難易度は低い資格です。
しかし、集団試験や個別実技という少し特殊な実技試験もあるのでノー勉ではまず受かりません。
やれば楽勝だけどやらないと受からない試験です。
問題集を反復して是非一発で合格できるように頑張りましょう!
ビル管理の仕事をしている方でしたら、自衛消防技術試験の後は他のビル管理系の資格に挑戦すると思います。
下記にビル管理の資格に関する記事をまとめましたので、興味がある方はご覧ください。
ビル管理(ビルメンテナンス)の資格に興味がある方向けリンク