建物やビルを管理する仕事には、ビルメンとビルマネと呼ばれる2つの種類があります。
名前も似ていますし、建物を管理するという大きな括りで言えば同じです。しかし、仕事内容についてはビルメンとビルマネは全く違います。
本記事ではビルメンとビルマネの違いについてまとめつつ、ビルメンからビルマネへ転職できるかについても解説しています。
こんな方にオススメの記事です。
- ビル管理の仕事に興味がある
- ビルメンにこれから転職しようと思っている
- いずれはビルメンからビルマネへキャリアアップしていきたいと考えている
それでは、早速見ていきましょう。
ビルメンとビルマネの違いとは
まずは両者の違いについて解説していきます。
・ビルメン
ビルメンとは、ビルメンテナンスの略で、建物を利用する人が安全に快適に過ごすために必要な仕事です。清掃、警備、設備管理の3つの仕事に別けられます。
ビルメンと略して呼ぶ場合は設備管理の事を指す場合がほとんどです。設備管理は建物内の設備の点検や保守をおこないます。
詳しい仕事内容はこちら:人気のビル管理の仕事内容を【画像付き】で解説します
・ビルマネ
ビルマネとはビルマネジメントの略です。プロパティマネジメントなんて呼び方もします。
- 不動産を賃借するテナントの誘致、入居対応など
- 建物内の館内規則等作成
- 賃貸借業務の代行
- 建物の物理的な維持・管理業務
- 中長期に渡る修繕計画の作成
上記の様な仕事をビルオーナーの代わりにおこないます。建物の運営全般に関わっていくのがビルマネです。
ビルメンは建物内の設備の点検や保守を中心におこない、ビルマネはビルオーナーを代行するようなイメージでテナントの誘致など建物運営全般に関わります。
図で表すと分かりやすいです。
上記の図のようにビルマネ(プロパティマネジメント)はビルオーナーの代わりにテナントの誘致など建物の運営全般に関わります。そして、建物の維持管理(設備の点検や保守)についてはビルメン(設備管理)に任せるという流れです。
ビルマネの方がオーナー側に近いですし、ビルメンに仕事を委託する側にあるので、ビルマネの方が立場は上になります。
実際の仕事内容もビルマネはスーツを着てテナントやビルオーナーと折衝することが多いので、ホワイトカラーの仕事です。反対にビルメンは作業着を着て点検や保守をしていくので現場での作業がメインです。
ビルメンとビルマネでは給料も違う
上記ではビルメンとビルマネの仕事内容の違いについて解説してきました。給料についても両者では違いがあります。
ビルマネはビルメンの上の立場になるので、ビルメンと比べて給料も高い傾向にあります。
求められる資格も違う
ビルメンとビルマネでは求められる資格も違ってきます。
ビルマネは建物の運営全般に関わるので、マネジメント系の資格が必要になってきます。
具体的に以下のような資格です。
- 宅地建物取引士 (宅建)
- ファシリティマネジャー
- ビル経営管理士
- 統括管理者
反対にビルメンは設備の点検をしていくので、技術系の資格が必要になってきます。
- 危険物取扱者
- ボイラー技士
- 電気工事士
- 消防設備士
- 電気主任技術者
建物の中には電気、空調、消防とたくさんの設備があるので、求められる資格も多いです。
僕自身もビルメンをやっており、ビルメンの資格については本ブログでもかなり踏み込んで解説しているので、是非他の記事もご覧ください。
ビルメンからビルマネへ転職することは可能?
結論としては、ビルメン(設備管理)からビルマネ(プロパティマネジメント)への転職は可能です。
ビルマネとして建物全体のマネジメントをしていく上で、ビルメンで得ることができる設備的な知識やスキルを十分に活かすことができます。
また、給料も上がるのでキャリアアップという意味でもビルメンからビルマネへ挑戦する人もいます。
ビルマネへキャリアアップする人は意外と少ない
僕自身、ビルメンとして長く働いており、ビルメン会社間で転職もしていますが、ビルマネへキャリアアップする人はかなり少ない印象です。
理由としては仕事内容がビルメンの方が楽というのが大きいです。
- ビルメンは設備の点検や保守がメインの仕事なので、コミュニケーション能力がそこまで必要ない。(説明能力があればOKです)
- 決まった事をしていれば良いので、ルーティンワークが多い
- 異常等が無ければ、待機している時間の方が長い
こんな感じで、ビルメンはルーティンワークも多いですし、設備に異常がある時に仕事が発生する受け身の仕事です。
オーナーやテナントとバリバリ折衝するビルマネと比べたら仕事内容はめちゃくちゃ楽です。その為、ビルメンからビルマネへキャリアアップする人もあまり見たことがありません。
よっぽど意識が高い人や給料に執着がある人じゃないと楽なビルメンの方が魅力に感じますからね。
また、ビルメンとして現場が長くいると中々抜け出せなくなってしまうという特徴もあります。独特な世界ですが、メリットも多いので。
関連記事:ビル管理の仕事に就職して良かったこと5選【メリットをまとました】
最後に
本記事ではビルメンとビルマネの違いについて解説してきました。
まとめるとこんな感じです。
- ビルメン(設備管理)は建物内の設備の点検や保守をおこなう仕事
- ビルマネ(プロパティマネジメント)はビルオーナーを代行して建物の運営全般に関わる仕事
- ビルマネはビルメンの上の立場になるので、給料も高い
- ビルメンからビルマネへキャリアアップの転職をすることも可能
両者の仕事内容は全く別物と言っても過言ではありません。間違って転職をしてしまうとミスマッチになるので注意しましょう。